BECK  新作レビュー

★★★

バンド映画に駄作なし、が僕の持論だが、この作品も、よくできた“バンド映画”だった。

バンドを題材にすると、仲間同士の葛藤や結束を、“音楽”に乗せて描くことができる。人間ドラマも描きやすい。だから、バンド映画にはいいものが多いのだと思う。

バンド映画の秀作で、僕が好きなのは、外国映画だと「ザ・コミットメンツ」「すべてをあなたに」だろうか。ちょっと毛色は違うが、ヒロインがロック歌手だった「ストリート・オブ・ファイヤー」も大好きだなあ。

日本映画だと「Aサインデイズ」「青春デンデケデケデケ」「ロックよ、静かに流れよ」かな。ちなみに、「Aサインデイズ」は「第2回周南映画祭〜絆〜」で上映します!!

どの作品も、仲間同士の“葛藤”がポイントになっている。それはこの作品も同様だ。

葛藤で離れ離れになったメンバーたちが、“音楽”の名の元に再び結集し、また“音楽”を通して心を通じ合う。これがバンド映画の醍醐味だろう。

この映画では、佐藤健氏扮する主人公の高校生が、天才的ギタリストと知り合い、ロックの魅力に引き込まれ、やがてバンドに加入し、ギターを覚え、ボーカルとして天才的な才能を発揮。大きなロックフェスで人気を博すまで成長していく姿を描く。

ギタリストのギターにまつわるアメリカのバンドや興行師をめぐるエピソードがちょっとリアリティに欠けるものの、主人公のコユキを巡るエピソードが丁寧で、スクリーンの前で僕たちもバンド「BECK」のファンになってしまう。

ただし、ネタバレになるので詳しくは書かないが、この映画では、肝心の“音楽”のところで、ある「演出」がされている。これは、堤幸彦監督の意図的な演出なのだろう。原作者の希望、という情報もネット上で見たが、この「演出」によって、観客は様々な「想像」ができるよう「仕掛け」がされている。

いろいろ意見はあろうが、個人的には、この「演出」は×である。やはり、この映画に登場する「楽曲」は、全ての物語の根本なのだ。その「根本」を、こういう演出で「見せる」のは、果たして正しいのだろうか。

「映画」は観客に想像させる、行間を読む、ということは大切だといつも僕はこのブログでも書いているが、そういうこととはちょっと違う、と思う。いろいろな意見があるだろうから、僕もまた考えてみたい。

「BECK」公式サイト↓
http://www.beck-movie.jp/

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