猿の惑星 創世記〜ジェネシス  新作レビュー

★★★★

あの「猿の惑星」のタイトルの映画を、今再び鑑賞しようとは…!

少年の日、水曜ロードショー(金曜ロードショーの前身ね)で観た「猿の惑星」は本当に衝撃だった。

あのラストは、映画史に残ると思う。正に、「絵」で全ての説明をする、という意味で衝撃だった。これこそ映画の醍醐味だ、と感動したことを覚えている。

あと、映画には文明批判も盛り込んでいて、そういう意味では生命の進化をテーマにした「2001年宇宙の旅」とともに、それまで「SF映画は子どものもの」という概念を覆した名作であり、僕にとって主演のチャールトン・ヘストンと言えば、水曜ロードショー(くどいけど、金曜ロードショーではない)で繰り返される放送される、この映画と「黒い絨毯」だったものだ。

で、この映画だが、どの雑誌やサイトの紹介を見ても、「なぜ○○が○の○○になったか、その始まりを描いている」等と書いてあって、それじゃあ、あの名作の第1作のオチをバラすことなるのである!!

これから、DVD等で初めて「猿の惑星」を観る人だっているはずである。もうちょっと、配慮してほしいと思うが、それだけあの映画の物語は周知の事実になっているのだろう。

この映画、オリジナルにオマージュを捧げている場面やセリフも多く、お話が現代のアメリカになるところなどは、シリーズ6作目を思い出す。旧シリーズは壮大なスケールに発展していく(決してシリーズ2作以降は面白い、とは言えない)が、主人公の名前などは、旧シリーズを観ている人ならニヤリとするだろう。

オリジナルにあった文明批判が影を潜めたのは、時代の変化に依るところも大きい。アルツハイマーの新薬を巡る話が核にあって、そこに文明批判も感じはするが、全体的には娯楽作に徹している。

主人公やその恋人、父親、薬品会社の上司の人物設定など、はっきり言って、最近のハリウッド大作に見られる予定調和的な物語展開ではあるのだが、見応えはある。

人間であるはずの観客が反乱を起こす猿側に感情移入できるよう物語が上手く練られていて、ビジュアル的にも優れている。

役者の演技をCGに反映するモーションキャプチャーを駆使した、オールCGで表現された猿たちの表情や動きは実に見事。21世紀に入って映画技術の進歩を感じる一瞬である。

主人公の猿が感情を爆発させるシーンは、オリジナルに続いていく重要な場面であり、感涙物のいいシーンだと思う。

技術に頼らず、感情移入がきっちりできるのは、やはり脚本がいいからだろう。昨今のSFやアクションはその点が足らないものが多い。「猿の惑星」というタイトルの映画で言うと、私的には名作の第一作に告ぐ満足度だった。
1



コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ