ツレがうつになりまして。  新作レビュー

★★★★★★

「映画日記」史上初の、6つ★です。

「障がいなんか、笑い飛ばせばいい」とは、僕が尊敬するある人の言葉。

笑いとばすことと、馬鹿にすることは違う。どうしようもないほどのできないこと、困難なことは大変で辛いことではあるが、それを受け入れ、笑い飛ばすことも大切なことだ。

身体や心の病、障がいは、誰にとっても、決して他人事ではない。世の中には、いろいろな生き辛さがあるのだ。

僕も発達障がいのひとつである、学習障がい(LD)という個性を持つ。詳しくはNHK公式HP内ハートネットピープルの僕のコラム「計算できんで何が悪いとや」↓http://www.nhk.or.jp/heart-net/program/index.html
をご覧頂きたい。

一見しただけでは、他の人と区別がつかないのでなかなか理解されにくい、できないことや苦手なことが、本人の努力不足や気持ちの強弱のせいなどが原因と誤解されやすいことなどは、発達障がいもまた、心の病と似ているかもしれない。

この映画の凄いところは、「うつ病」という誰もがなる可能性がありながら、誰もが知らない、一般社会的にはまだ理解が十分ではない病を「娯楽映画」というエンターテインメイントの中で描いたことだ。

病そのものの説明も描きながら、この病を抱える人やその周囲の人たち、つまりはあらゆる病や障がいを抱えている人やその周囲の人たち希望を抱き、少しずつでも歩む様を、温かな視点で細やかに描いている点にある。

もちろん、「うつ病」と一言に言っても、人によって症状は様々だろうし、「この映画のように甘くない」という人もいるだろう。しかし、佐々部監督はそうした批判は覚悟の上でこの映画を作ったのだという。結果的に、この映画は、あらゆる病気や障がいに向き合う人やその家族、周囲の人々にとって、大きな「希望」と「処方箋」となる映画になった。その監督の「志」に感謝したい。

佐々部監督の優しく、温かなまなざしと心が、恐らくこの映画に関わったスタッフ、キャストを大きく包んだのではないだろうか。主役の2人が素晴らしいのは僕が書くまでもないのだが、脇を固める役者たちのバランスが見事で、日本家屋のセットなど美術やキャストの衣装、イグアナの表情に至るまで、細部に「気持ち」が感じられる。

僕のある友人は、緊張感あふれる仕事が続いていたとき、この映画を観て「頑張らなくてもいいんだ」と思ったそうだ。この映画のもうひとつの大切なポイントは「ユーモア」で、病を笑い飛ばしている点も大きい。馬鹿にするのではなく、笑い飛ばすこと、これが本当に大切なのだと思う。

6



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