新作レビュー9連発!  新作レビュー

昨年から今年にかけて観た映画のレビューがまだまだたまっているので、それぞれ短めに書きます。まだレビューを書いてない作品はいっぱいありますが、まずはこれで御勘弁を。

◎ワイルド7
★★★
あの「ワイルド7」を映画化とは!小学生時代、原作に憧れた身としては心配と興奮が交錯。バイクアクション、頑張っている。物語展開も面白い。なかなか公道等でこれだけのアクションシーンを撮るのは大変だっただろう。ロケ地は小倉らしいが、これは、「おっぱいパレー」等で築かれた、羽住監督と北九州市との信頼関係に依るところが大きい。これは、地方の映画文化発展にもいい傾向だ。残念なのは、原作の設定を現代に置き換える作業に腐心しすぎたのか、「ワイルド7」がやや「マイルド7」になった点。後半、機動隊のぞんざいな扱われ方も含め、もう少しワイルドだぜえ、と行きたかったかな。

◎聯合艦隊司令長官 山本五十六
★★
「八日目の蝉」と同じ、成島出監督とは思えないなあ。役者さんたちは熱演なのだが、密室での会話劇が中心で、いくら史実を基調とした重厚な歴史劇と言っても、緩急のない演出はちょっと辛い。合間の特撮も、スケール感がないのはどうしてだろう。僕が現在最も評価している特撮の名手・沸田監督らしさがあまり感じられない仕上がりが少し残念。

◎マイウェイ 12000キロの真実
★★★★
韓国映画なので、日本軍の描き方に賛否両論あるのは仕方ないと思うが、戦闘シーンの迫力、命知らずの撮影は、かつての香港映画を思い出す。ノルマンディー上陸作戦は「プライベートライアン」での描写が最高とは思うが、ここにはハリウッド的な「きれいさ」は全くなく、壮絶な泥臭さが漂う。やはり、世界の映画界を見ても、韓国映画は勢いがある。突っ込み所は満載だし、主人公の心情の変化を描ききれてない部分はあるものの、戦争に翻弄される兵士たちの過酷な運命を描いたエネルギッシュな力作。

◎ALWAYS 三丁目の夕日 64
★★★
三丁目の住人たちによる、ノスタルジーと人情2作目までに使い果たした感があるかな。観ている間は涙が何度も何度もあふれたが、少し時間が経つとあまり印象が残っていないのは何故だろう。ベタに徹するのがこのシリーズのいいところだが、二作目と三作目は、一作目の指輪を巡るエピソードを超えてない。ちなみに、僕も64年生まれ。僕らは、テクノロジーの発展が一般の家庭生活に影響を及ぼしたことが肌身で実感できる世代なのね、としみじみ思う。3Dで観たが、東京タワーが飛び出すシーンは良かった。あと、涙が出ると3Dメガネが邪魔と言うことに初めて気づく。

◎ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
★★★★
「きみに読む物語」のスティーブン・ダルドリー監督の最新作。3・11同時多発テロで命を失った男が残したメッセージを、息子である少年が街を旅し、様々な人と出会いながら、見つけて行く。少年の繊細な気持ちが感じられる演出はさすがで、「リトル・ダンサー」以来、この監督さんの手腕は本当に見事。伝えられていく人の「想い」を描いた秀作。

◎キツツキと雨
★★★
いわゆる、映画製作の裏側を描いた、バックステージ物だ。不本意な題材の映画を押し付けられ、現場から逃げ出してしまうような若い監督と、映画に協力をするようになった木こりのお話。監督役の小栗旬氏、木こり役の役所広司氏ともに好演。最初は胡散臭く思っていた地元の木こりが、自分の息子と監督が同じ名前と知ってから親近感が湧き、次第に地元スタッフとして映画づくりにはまっていく様がおかしい。山口県での映画づくりをお手伝いするうちにはまって会社まで辞めてしまった僕に完全にダブって、映画館で大笑いしてしまった。ただ、劇中の映画を、ゾンビ映画にしなくても…と思ったのは正直な感想。

◎テルマエロマエ
★★★
おバカなお話を、大真面目に作っている点に好感。チネチッタスタジオを使った古代ローマのシーンなどは観るべきところ大いにあり。前半のギャグは笑わせてくれるし、後半の史劇と現代日本人が絡んでくる辺りもよく練られている。ただし、演出が少々テレビドラマ的で、せっかくのスケール感が惜しい点があったかも。

◎宇宙兄弟
★★★
この作品の森義隆監督の「ひゃくはち」は大傑作だ。高校野球を題材に、青春の躍動感と挫折感を鮮やかに表現した、エネルギッシュな秀作だった。その森監督の新作ということで期待して鑑賞。「宇宙」を表現した日本映画では最高位に位置するだろう。宇宙に挑む兄弟の描写は、「ひゃくはち」を彷彿とさせる。ただし、月での重力の描き方や外国人俳優の扱いにもう少し配慮すれば、もっと傑作になっただろうに、と思う。後半の展開は賛否両論あろうが、僕は好感が持てた。ただ、未完の原作人気漫画に振り回されて感は少しある。

◎幸せの教室
★★★
コメディなのか、恋愛映画なのか、中途半端な作品だが、日本と違って無試験で基本的に誰でも入れるアメリカの短大の教育システムはなかなか興味深い。ドラマを描くと言うより、学歴が理由でリストラされ、大学に入学した中年主人公の貴重な「経験」をライトタッチで描いた物語。その「経験」こそがこの映画の魅力であり、そこに余り複雑で深いものを求めてはいけない。そういう意味ではこの邦題「幸せの教室」は違うかも。

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