見た日/10月某日 ★★★

 劇場公開時に見逃したので、DVDで鑑賞。

 チャン・ドンゴンかっこいい。ノンストップで最後まで見られる。いわゆる「シュリ」「JSA」「ブラザーフッド」から続く、南北分断の悲劇をテーマにしたアクションだが、一連の作品より娯楽性を強く出していてかなり楽しめる作品になっている。ただ、テーマ性はかなり重い。

 少年時代に韓国への亡命を拒否され、家族や親族が殺され、姉と2人で逃走し、今は海賊となっているシン。彼は秘密兵器を積んだ米国籍の船舶を襲撃し、南北半島を壊滅する作戦を企てる。彼を追う海軍将校は、ロシア領土で娼婦となっているシンの姉に接触するが――。

 物語は、己の使命と、その境遇に触れることでシンに感情移入し、奇妙な友情を感じながらシンを追い詰めて行くイ・ジョンジェ扮する将校を中心とすることで重みを増して行く。イ・ジョンジェはなかなかの熱演で、姉役の女優さんもいい味を出している。

 シンのすさまじいまでの憤怒ぶりの原点となる脱北のエピソードは監督の想いが深いのか、かなり濃く描かれる。「JSA」「シルミド」もそうだが、国家の運命に翻弄される人々の悲劇を描いたら、韓国映画の右に出るものはない。

 聞けばこの監督も父親は北朝鮮出身という。シンの少年時代を巡る描写が多いことがこの映画の欠点、という指摘も雑誌で見たが、ここの部分は譲れなかったのだろうな、という熱い思いは十分画面から感じた。ただし、アクション映画としては先が読める展開と、確かにテーマ性にこだわり過ぎてテンポが失速する感があったのは否めないと思う。
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