ワールド・トレードセンター  新作レビュー

見た日/10月某日 ★★★

 残念ながら評判の「ユナイテッド93」は地元、隣り街、そのまた隣り街の映画館・シネコンでは上映されず、わが町から高速道路で1時間半のシネコンでやっていたが、そこまで行く時間が取れず、劇場では未見になってしまった。残念!!

 その代わりと言っては何だが、同じ9・11を取り扱ったこの映画を見てきた。ドキュメンタリータッチにこだわった「ユナイテッド93」とはまた違って、こちらは事実を正確に映画化することには務めているものの、主役にニコラス・ケイジというスターを据えて、正攻法の感動できるドラマを作り上げている。

 うーむ、オリバー・ストーン監督、そう来たか、という感じである。この映画は同時爆破テロで崩れ落ちた世界貿易センタービルの下敷きになった警官2人の救出劇に絞り、その救出に携わった人たちと、警官2人の家族に焦点を当てて描いている。

 ほとんど予備知識なしで見たので、正直、こういう話とは思わず驚いた。監督がオリバー・ストーンなので、もう少しテロ全体や思想的な表現もある映画かと思ったら、映画のほとんどは生き埋めになった2人の手に汗握るサバイバルと救出劇、奇蹟を信じて待ち続ける家族を描いたまっとうなスペクタル大作だった。

 これはこれで感動するが、「9・11」という事件像そのものに迫るものではなかったところはちょっと肩透かしの感もある。だが、この事件は今もなおアメリカ人をはじめ、多くの人の心に痛みを残しているし、わずか5年後に描くには、このとてつもない悲劇の中の「希望」の物語を描くのがベスト、とオリバー・ストーンは判断したのだろう。悲惨な部分を「ドラマ」として描くには、正直まだ時間が必要なのかもしれない。

 その選択は正しいかどうか、観客としては、現時点ではドキュメンタリータッチの方の「ユナイテッド93」を見て初めて完結するのかもしれないが(だから早く見たい!DVDを待つしかないのね…)、こういう救出劇があったことは正直知らなかったので、こういうアプローチも個人的には受け入れられた。

 瀕死の中での家族への想い、生まれ来る子どもへの想い…。それは万国共通だろう。僕にも幼い子どもがいるので、その辺りの描写はちょっと辛かった。
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