2012/5/4

輪廻転生  nature
先日の薄暮も過ぎた宵のころ。
まだ肉眼でうすらぼんやり見える頃といった感じだったか。
なぜだろうか? こんなに広い森なのにピンポイントでここへ惹かれ、気になって入ってみた。

笹の弾力が足元から伝わるほど積雪は薄く、視界が限られることでそのほかの感覚が研ぎ澄まされてゆく。

地面が雪に閉ざされた世界と、笹に隠された世界の狭間はほんのわずか。
今まで思っていたよりはるかに森の倒木は多いのだと知った。

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【幽閉の世界へつづく】
カメラは人の目で見えない時間帯でも見せてくれる。

いい雰囲気の倒木が小沢にかかっていて撮影していると、
この季節にはない赤い色が目に入ってきた。

「看板か何か流されたんだな。撮影の邪魔だから取り除くか」と近寄ってゆく。

手に取ろうと近くまで寄った時、それは小鹿の屍であることがわかった。

【次のページ写真、子鹿の死体のため見たくない人は続きを見ないでください】



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【輪廻のはじまり】

まだ小さな体つき。
暗い中でもはっきりと鮮烈な赤色がわかる。
あばらの辺りはきっと今日にでもキツネに食べられた新鮮な色だ。
しかしよく見ると、背骨の周りは骨が茶色く変色していてちょっと古そうな感じだ。

この小鹿の一生はどんなだったのだろう。
冬を越えたにしては体が小さすぎるので、
昨年、しかも遅くに生まれた小鹿が初冬に何かが原因で死んだのだろうか。
降り積もった雪の上を歩いていたら、沢の中へ雪を踏みぬいてしまい上がってこれず、
そして一気に雪が降り積もり小鹿の体を隠してしまった。
雪解けとともに体が現れ、少しづつキツネに食べられていたのかもしれない。

春の雪解け水は新たな季節を作りだし、倒木は朽ちて大地の栄養となり、小鹿はキツネや微生物の命となる。

闇に溶けてゆく景色は数えきれないストーリーを作りだす。
仰ぎ見るとミズナラの陰から月が見えていた。

月もまた日々輪廻転生を繰り返す自然のいたずらだ。
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