2014/12/15

ユクモシリ 【エゾシカの大地】  nature
その巨体は微動だにせずこちらを見ていた。

互いにピクリともせずしばらくの時間が経った。
ふいに巨体は振り返り、夕陽に向かって体をゆったりと揺すりながら歩んでいった。
海風で、穂先が優しい金色に輝き、ようやく細めた眼でファインダーをのぞいた。
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【in GOLD】




日中、大きな角を持つオスジカ2頭のハレムの横へ、動いてるかどうかのスピードで静かに車をつける。
2m。 逃げない。あまりにも近すぎる。
全員が僕を見たが、僕は目を閉じた。
再び彼らの草を食む音がする。
少しうねり気味の波の音が背後から届き、漁のおこぼれを捕り合う鳥たちの声が風に乗ってやってきた。
枯れた葦に同化したハレムは、そのままゆっくりと消えていった。
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【ハレム】



陽が落ちてゆく。
美しい海岸にレンズを向けていると笹原からニョキリと角が現れた。
何の迷いもなく角は揺れながらこちらに向かってくる。
「おい、近すぎるぞ」 と、僕のほうから気配を送ってあげると一瞬歩みを止めて少し方向を変えてから目の前を通り過ぎていった。
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【あゆみ】

この瞬間、僕はにやりとした。
ごく自然な動物同士のあいさつにたどり着いたからだった。

狩られる心配が消えた瞬間、どこまでも普段の姿を見せてくれるユクたち。
今の時代に【獲物】として君臨できる大地にふさわしい美しさを醸し出していた。

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【Nostalgic blue】

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