昔のアルバムが何十冊とある。「フッ!」と思って、その中の一冊を倉庫の書棚から引っ張り出した。アルバムを広げると、全ての写真の接着剤がダメで、パラパラとアルバムから写真が落ちてきてしまった。
記憶のあるウチに、もう一度紙用の両面テープで貼り付けてみた。
1963年、(高校一年、16歳)初めて北鎌尾根に挑戦した時のアルバムだ。体力気力は充分で、無いのはカネと経験だった。所属する社会人山岳会の夏山合宿だった。
大糸線・大町駅に降りるとボンネットバスが待っていた。七倉へ向かう。ここからは徒歩で高瀬川を上る。まだ現在のダムが無くてトロッコの軌道の上を歩いた。
千丈沢、天上沢の千天の出合いに岩小屋(?)があって、そこに泊まった記憶がある。
今は貧乏沢を降って北鎌沢右俣を詰めるルートが一般的だが、当時は無かった記憶がある。P1からブッシュ帯を登り、北鎌のコルで幕営。落雷にビクビクした思い出がある。
槍ヶ岳が近くに見えるのだが、なかなか近づかない。独標下のトラバースは今でもロープを使っているという。今では売っていない片桐の2尺4寸のキスリングを背負ってトラバースした。
メチャクチャに疲れた記憶しかないが、なんとか大槍の上に立った。そして殺生小屋へ泊まった。槍沢→横尾→徳沢→上高地。
上高地から松本までのバスのキップが、ビニール袋に入れて貼ってあった。260円だ。
今では七倉から湯俣の温泉巡りが関の山だ。
http://www.the-support.net/something/onsen/yumata/yumata.html
体力も気力も落ち、以前と同じく無いものはカネと休日(泣)。