近くの菜園で咲いている小さな白い花が気になっていたが、休日に一緒にウォーキングする妻が、これはバジルだと教えてくれた。
バジルの和名はメボウキ(目箒)という。シソ科メボウキ属の多年草であるが、日本では越冬できないので一年草として扱われる。英語由来のバジル(basil)、イタリア語由来のバジリコ(basilico)としても知られる。
インド、熱帯アジア原産のハーブである。BasilならびにBasilicoの名称はいずれも「王」を意味するギリシャ語の βασιλεύς (バシレウス)に由来するという。
「バジル」と呼ばれるハーブには、およそ150 種類もの栽培品種があるそうだ。香りの主成分はメチルカビコール(エストラゴール)、リナロール、シネオール、オイゲノールで、刺激性は低く生でも食べられる。
バジルの種子はグルコマンナンを多く含むため、水分を含むと乾燥状態の約30倍に膨張し、ゼリー状の物質で覆われるという。食物繊維を豊富に含むことからダイエット補助食品としても利用されている。
日本には最初、種子が漢方薬として輸入されたそうで、ゼリー状の物質により目の汚れを取り去る目薬とされ、メボウキ(目箒)の名称が付いた。
東南アジアとアフガニスタンでは、水に浸した種子をデザートや飲み物にするそうだ。