香りのよい木の花にカラタネオガタマがある。平池浦と陀摩屋敷の2か所の民家で見つけたが、朝早いせいかバナナのような独特な香りは漂ってこない。
昔、名古屋の橦木館に通っていたころ、洋館の裏にカラタネオガタマの木があり、花が咲くと本当に甘いいい香りがしていたことを思いだした。

カラタネオガタマ(唐種招霊、学名Michelia figo)は、モクレン科の常緑樹。
中国原産で江戸時代に渡来した常緑小高木である。暖かい地方の神社の境内や庭木などで植えられている。樹高は3〜5m。花期は5〜6月頃で、バナナのような強い甘い香りがある。
単なるオガタマノキといのもある。古来から神聖視され、神社仏閣では御神木とされることが多い木である。葉を神前に供え、心霊を招くために使われたことから「招霊(オギタマ)」、これが転じてオガタマノキと名付けられたという説がある。
3月下旬〜4月上旬に咲くクリーム色の花は直径2〜3センチほどで花弁の元は紅になる。モクレンやコブシよりも小さい。また、枝葉に隠れるように1輪ずつ開花するため、あまり目立たない。芳香については近縁種カラタネオガタマほどの強い香りはない。
