維摩池遊歩道の北西あたり、東屋の西側付近で「ネジキ(捻木)」に釣鐘型の花が一列になってぶら下がっている。

ネジキ(捻木)は、ツツジ科ネジキ属 (落葉小高木) で有毒植物である。学名は、Lyonia ovalifolia 。日当たりの良い山地に生える。幹はよじれたような縦筋が入る。よじれは左巻きになる。
葉は互生し、葉身は卵状楕円形、または長卵形。洋紙質で両面にねた毛がある。縁は全縁。全木、特に葉にテルペノイドのグラヤノトキシンを含む(痙攣毒)。
花は5〜6月に、前年枝の葉腋から、総状花序を横に出し、白い壺状の花が多数、下垂して咲く。
もうひとつ木の花を。「エゴノキ」。白い清楚な花が、枝いっぱいに咲いている。

「エゴノキ」は、エゴノキ科エゴノキ属 (落葉高木)。学名は、Styrax japonica 。別名「チシャノキ」、「ロクロギ」。有毒植物である。
名前の由来は、実の味がエグイため。別名の「チシャノキ」は、実の成りかたを動物の乳に見立てた、乳成り(チナリ)ノキから転化したとされる。同じく別名の「ロクロギ」は、傘の柄に使われたため。
雑木林の林縁部に普通に生える。陽樹で、暗い林内では発芽、更新しないとされる。幹はあまり太くならず、株立ち状になることもある。自然樹形でも、幹が途中で大きく曲がったり、癖のある樹形になることが多い。
樹皮は滑らかで暗紫褐色を帯びる。写真のようにわずかに縦皺がはいることが多い。
西丹沢の尾根筋(ブナ帯)に生えているエゴノキは、赤味を帯び、縦長の鱗状に剥がれる樹皮になる。とても同じ樹とは思えない。
枝は水平に長く張り出し、節ごとにジグザグに曲がる。葉は互生し、葉身は卵形または楕円形、縁には細かい鋸歯がある。
5〜6月に、今年のびた短い側枝の先に1〜4個の白い花を付ける。萼はコップ状、花冠は深く5裂し星状毛が密生する。雄しべは10本、花柱は雄しべより長い。花には蜜蜂の仲間が来て花粉を運ぶ。下向きの花のため、ハエ、アブなどの足の力の弱い虫は止まることができない。
ついでにもうひとつ。「ソヨゴ」の可愛い花。
