ワルナスビとヘクソカズラ、どちらもとんでもない名前をつけられたものである。ワルナスビは7月の初めころから、ヘクソカズラは7月の末ころからあちこちで見かける。
こちらがワルナスビ

ワルナスビ, オニナスビ, アレチナスビ, ノハラナスビなどと呼ばれる。ナス科に属し、学名は Solanum carolinense という。原産地は、北アメリカ。
多年草で長い根茎をもつ。茎は高さ40〜70m,節ごとに屈折すし、黄褐色の刺を持つ。葉は両面に星状毛をビロード状に密生、中央脈上にまばらに刺を持つ。花枝は節間につき、数個〜10個の花をつける。がくは尖って背面に毛があり、花冠は5裂、径2.5cm、白色〜淡紫色。やくは黄色で花糸より長い。果実は球形、1.5cm、熟すと橙黄色。花が白色のものはシロバナワルナスビと呼ばれる。ソラニン(家畜に有毒なアルカロイド)を含む。指定外来種である。
こちらがヘクソカズラ

ヘクソカズラ(屁糞葛)の学名は Paederia scandens 。
アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性多年草で、やぶや道端など至る所に生える雑草。
夏に中心部が赤紅色の白い小花を咲かせる。葉や茎など全草を傷つけると、悪臭を放つことから屁屎葛(ヘクソカズラ)の名がある。別名で、ヤイトバナ、サオトメバナともよばれる。
原産は日本の在来種で、ほぼ日本の全土、東アジアに分布する。『万葉集』の中にも「屎葛(くそかずら)」の名で詠まれている。
日当たりのよい山野や藪、草地、道端、公園などに自生している。花期は夏から秋ころ(7〜9月)で、葉腋から短い花序を出して、2出集散花序を形成して、花弁・花冠が白く、内面中心が紅色の花を多数咲かせる。花形は漏斗形で、花冠は浅く5裂する。
果実は、径6mmほどの球形で、潰すと強い臭気があり、熟すと緑色から黄褐色・薄茶色になり、秋から冬にかけてよく見かける。