第五十九候「朔風払葉」(きたかぜこのはをはらう) 11/27〜12/1頃
七十二候が小雪の次候に変わり、冷たい北風が、木の葉を散らす頃となった。
朔風とは北風のことで、木枯しを指す。日本海を渡る時に水分を含んだ北風は、山地にぶつかり日本海側では多くの雪を降らせる。そして、山を越えた太平洋側では乾燥した風になり、「空っ風」と呼ばれる。
「朔」という字は、「はじめ」や「元へ帰る」という意味でも使われるが、十二支を方角に当てると、子 (ね) の方角は「北」となり、子は干支の最初に位することから、やがて「朔」は「北」を指すようになった。
葉を落とした木々の冬景色はどこか淋しげで、草木は一見枯れてしまったようにも見えるが、木の枝には小さな芽が出始めている。土に落ちた木の葉は「望み葉 (のぞみば)」といい、土の中で肥料となり、めぐりめぐって春を迎える植物の栄養となる。こうして草木は新たな季節に向けた準備を始める。
長池のアイナシの木はすっかり葉を落としている。
維摩池のハナモモの木も葉を落とし、すでに芽を育てている。木立の中にとまっているのはスズメである。
維摩池堤のケヤキの木は丸裸。カラスが2羽とまっている。
