2年生が修学旅行に出かけて今週中授業がなくなった。1時間目に3年生の授業を行ったあと年休を取り、新幹線に乗った。京都相国寺で「若冲展」が行われていることを朝日新聞の記事で知って何としても見なくてはと行動に移した。
三の丸尚蔵館に所蔵されている「動植綵絵」30幅が相国寺に里帰りして、相国寺蔵の釈迦三尊像とともに33幅の若冲の名作がそろって展示されている。足利義満600年忌の記念行事として、相国寺の有馬頼底管長が宮内庁に働きかけて実現したという。
平日にもかかわらずすごい人出である。特に「動植綵絵」の前の人垣はまったく動かない。私も隙間をみつけてあちこちと移動して、何とか満足するぐらい絵を見極めることができた。感想は、“スゴイ!”の一言である。描かれたときの輝きがそのまま維持されている。最高の絵の具をふんだんに使い、裏側からも絵の具を載せる裏彩色という技法を駆使して剥落をふせいでいるという。絵が生き生きと動いていると思った。様々な魚、貝、バッタや蝶、鶏・オウム・鴛・鶴・孔雀をはじめとする鳥たち、梅・牡丹・芍薬・向日葵・菊をはじめとする花々・・・。有馬管長もこうして33幅が揃うことはもうないかもしれない、もう死んでも良いと述懐されているが、私も同じ気分だ。若冲の経歴を知るにつれ、ますます若冲にのめり込んでいく自分を感じる。

相国寺の塔頭の門に貼られていたポスター。

同志社大学の北にある相国寺の山門。

昔は庫裏だった建物の裏に承天閣美術館が建てられている。

入場券を買うのに長蛇の列だ。

昔はこの庫裏から入って庭を眺めた。

これは法堂(はっとう)。法会の時にこの法堂の壁面に飾られたこともあるという。

法堂正面。

法堂は修業の場である。正面に釈迦如来が祀られている。

「動植綵絵」の中の1幅。「群鶏図」何という迫力!