新居関所跡の西の信号を北へ向かい、東海道線のガードをくぐってさらに歩いていくと「応賀寺」の案内表示があり、西側の山裾に山門が見えてくる。
鏡光山応賀寺は、真言宗の古刹で、神亀年間(724〜)聖武天皇の勅願寺として、行基菩薩により開基・草創されたという。弘仁年間(810〜)弘法大師が、諸国巡錫のみぎりに、浜名湖を渡ろうとしたところ、行路半ばで強風に吹き戻され、闇夜の湖上を漂流した。そのとき遠く対岸に一条の光が輝くのを認め、これを目標に無事漕ぎ着くことができたという。この光は、応賀寺の本尊・薬師如来の光背であったそうで、随喜された大師はこの寺の山号を光る鏡の山、鏡光山と呼び、喜びに応ずる寺すなわち応賀寺と名付け、海上安全と息災安穏を祈願されたと伝えられている。
薬師堂は室町時代の様式を伝える県指定文化財である。堂々とした立派な建築物だ。また多くの仏像・仏画を納める宝物館が建てられている。宝物館を見るには団体のみで予約がいると観光案内にあったが、庭で出会ったお庫裏さんに声をかけたら、「どうぞどうぞ」と宝物館を私一人のために開けていただけた。ありがとうございました。

応賀寺山門。

薬師堂全容。

薬師堂。

薬師堂。

苔が美しい庭園。

応賀寺の案内パンフレット。

応賀寺本尊薬師瑠璃光如来(案内パンフレットより)。

阿弥陀如来坐像(案内パンフレットより)。この仏像は他の寺にあったものだそうだ。

弘法大師坐像(案内パンフレットより)。