5月22日(木)に明和高校3年生の遠足に付き添った。昨年に引き続いて明治村に行く。昨年、工事中であった芝川又右衛門邸を是非見ようとガイドの時間を合わせて、邸内を見学した。芝川邸は、明治44年(1911)西宮市甲東園に武田五一の設計により建築された和洋折衷の洋館である。芝川又右衛門は先代が大阪伏見町に唐物商(輸入業)「百足【むかで】屋」を開業し、三井八郎右衛門・住友吉左衛門などと並び称せられた豪商の一人である。又右衛門は明治29年(1896)に果樹園「甲東園」を拓き、明治44年(1911)には別荘としてこの建物を建築し、さらに日本庭園や茶室等を整え、関西財界人との交友の場とした。現在、甲東園近くを通る阪急今津線(当時は阪神急行電鉄西宝線)は大正10年(1921)に開通していたが、当時甲東園には駅(停車場)がなかったため、芝川又右衛門は駅の設置を阪急に依頼し、設置費用と周辺の土地一万坪を阪急に提供した。この土地一万坪が甲東園一帯の土地開発の端緒となったといえる。

芝川邸南面。

芝川邸西面。

芝川邸東面。

玄関周り。

施釉タイルの基礎の上に円型の模様を無限に施した漆喰壁。

玄関から応接室を臨む。

和室の床の間。その横から次の間に続く。

和室と洋室がコンパクトにつながっている。

襖と障子で仕切られた和室。

玄関に続く廊下。

収納スペースがいっぱいの洋式のキッチン。手狭な空間をフルに有効利用している。