先週、林道を歩いていたとき森の中からベリベリ、ビリビリと樹皮を引き裂くような大きな音が聞こえてきた。
これまで一度も経験ないものだが、ひょっとしたらリスの仕業かと期待し、足を止めて目を凝らした。しかし、しばらく待っても音を出したヤツの正体をとらえることはできなかった。
リスは杉や檜の樹皮を剥き、柔らかい繊維をとりだし、巣の中のベッドとしている。ついにこの現場に遭遇したかと、ワクワクしたのである。
今日は昨日のエサに次いで、リスの巣作りをまとめてみる。
リスは樹洞や針葉樹の木の上に巣を作るといわれているが、ここ湯河原では松の木の上だけに発見する。あまり高くない15メートルまでの松のてっぺん付近に、松の小枝をバレーボール大に丸く密に組み上げる。雑な作り、丁寧な仕事のものと、色々ある。
リスが松に巣を作るのは、一年を通して葉が落ちず、ノスリなどに空から発見されずらいのがある。また、松の樹皮はザラザラしているから、テンやハクビシンが登ろうとしたら、足音を隠せないという利点がある。たぶんそうだろうと思う。
リスは哺乳類の中では空を飛ぶムササビ類をのぞいて最も身軽で、枝間2メートルぐらいは軽く飛べ、他の動物なら折れてしまいそうな細い枝も渡れるし、幹を頭から真下に走るのも普通。そんなだから、誰かが登る音さえ分かればすぐ逃げられる。
その巣の中はまだ一度ものぞいたことはないのだが、観察から分かったのは、かなり快適なマイホームらしいこと。
上の写真は杉林の中で見かけたリスの仕事現場。ここで樹皮を剥いで内側の柔らかい繊維をベッドとして採取しいている。ムササビも同じことをやるらしいが、この場所はリスの巣が近い場所だし、まずリスがやったと考えてよさそう。
中の写真は、巣の周辺に落ちていたリスのベッドとそれを仕事場から運ぶリス。
下の写真は、巣の内部を補強するコケを運ぶリス。
以前の写真で出来が悪いが、まあ資料にはなる(だれの〜)。

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