林道は、すっかり夏の森に変わっていた。
春の森は、若葉の新緑が目にやさしい淡いトーンを作るが、夏の森は道ばたの草まで背丈が伸び、なにもかも濃いグリーン一色の中にある。
昔もよく林道を歩いたが、夏の森は特に全体がワサワサした緑のかたまりに感じられ、視線は草木一本一本をちゃんととらえられず、ウロウロと泳いでいた。
ところが最近は以前と違い、ほんの少し樹木の名前など覚えたから、林道を歩いても目があちこちにひっかかる。先日アブラチャンの実が1センチぐらいに育っていたが、そのとき、ふと、自分がそんなふうに森を見ることができるようになったのに驚いたのだ。
これも野生生物探検隊のおかげだね。動物はもともと興味があるから色々調べるが、植物はどうにも覚えられない。でも、興味ある動物や鳥が食べる植物の実を調べていると、それだけで少しは知識がつくようだ。まあ、探検隊のメンバーが教えてくれたものがほとんどだけど。
写真は今年の春の子ぼっくり。もうここまで成長していた。松の実はごま粒の2倍ほどあったが、食べてみたら旨くない。胚のうと皮の間に空間があるのかグスグスな感じ。まだリスは食べていないのではなかろうか。
クルミを確認したら、こちらは立派に成長していた。リスはクルミをもう食べているだろうが、しばらく待ってみても現れなかった。
リスの数がほんとうに減っているナ。

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