このハダカイワシを目にしたことのある人は、そういないだろうと思う。
それはハダカイワシが深海性のイワシで、たまに定置網にごく少量入る程度だから。でも、このハダカイワシは表層のカタクチイワシやマイワシの総量よりもっとずっとたくさんいて、将来の魚資源になるのでは、と言われている。
ハダカイワシはまた全世界の深海に分布し、種類も多いようである。
ハダカイワシの名は、写真のようにウロコがなく、ハダカだからであるが、元々はウロコが付いている。ただウロコは極端にはがれ易く、人の目にふれるものはほとんどハダカ状態である。
ハダカイワシの腹の下にある発光器のポツポツが分かるだろうか。
下の写真は福浦沖の水深300メートルエリアで、ハダカイワシの魚探反応を撮影したもの。潜って見たわけではないから、確実とはいえないが、こんな反応の中で釣り上げたメダイなどの口から吐き出されたハダカイワシを見たことがあるし、そもそもこんな大きな魚群を作る他の魚はここでは考えられない。
群の形が大型魚に追われて変形しているのが分かるだろうか。動物プランクトンや汚れは幅のある一定の層をなすし、これほど強く赤い反応にもならない。
画面左が28キロヘルツの低周波で、右は75キロヘルツの高周波。
ちなみに前項のシラスは左が50キロヘルツ、右が200キロヘルツ。50キロに映らず200キロに映るのがシラスの特徴で、それから判断できるのだ。

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