支えになる枝などが少ない、宙に浮いたような巣
よく見えない人のために最大までトリミングしてみました。
TVニュースで、小型のタコが木の実の殻を器用に使い身を隠すのを、世紀の大発見のように映し出していた。
その姿はユーモラスで楽しかったが、でも、タコはもともと長い足で身近にあるものを使って隠れるのだ。ちっとも不思議でない気がした。
それよりもたしかニュージーランド近くのカラスが、刺のある植物の葉を器用に切り取り、それでくちばしの届かないところにいる芋虫を引っ掻きだしているのを見たときの方が驚いた。
たしかNHKのダーウィンが来た、だったと思う。
日本のカラスも頭がよくて、クルミを自動車に轢かせて割り、中身を取り出す知恵をもっている。
しかし、15日に林道で撮影した鳥の巣の写真をよく見てほしい。
最初はよくもまあビニールひもをたくさん集めたものだ、林道のどこにこれだけあったのだろ、なんて思っていたのだが、ふと気づいてしまった。
なんと、ビニールひもを枝にかけ、巣がぐらつかないよう固定しているようにみえる。それも5カ所もある。
しかも、どう考えてもひもの一方の端をくわえ、一度枝をくぐらせ巻き付けるようにしている。そして、それぞれがピンと張り、しっかり巣を支えている。それに、左側から3本、右側から2本と、船を強風の中係留するときのように、どちらからの風にも振られないよう完璧な仕事。
小枝とビニールひもの性質の違いを理解し、使い分けているとしか思えない。普通の鳥はビニールなどを巣材に使用することはあっても、こんな使い方はまずできないはずで、私には今回が初めての知見。
この巣は営巣場所や大きさから外来種のガビチョウのものだろうと思うが、ガビチョウにはこんなカラス並みの能力があったのである。
頭が良くて、体もヒヨドリぐらい大きいし、カラスのように集団行動もする。日本の森はもうすぐこれが主役となりそう。

5