森へ入ると、習慣のようになっている観察項目があって、目があちこちに飛ぶが、その一つにウロ(樹洞)探しがある。
フクロウが観察できたのも大きなウロを見つけられたからだし、ムササビ観察も松のウロがあったから。
フクロウもムササビもウロさえあればどんなところでも住み着く、といって過言ではないぐらい、森の中に大きなウロが少ないのである。
フクロウが住めるウロができるには最低でも60年ぐらいかかるそうだが、このぐらいの木は戦争中にほとんど切ってしまったのか、白銀林道周辺には大きな木が少ない。
動物が利用するのは大きなウロばかりではない。
初夏に林道を歩くと、ヤマガラがけたたましく鳴き、人間を威嚇するような動きをすることがあるが、よく見ていると小さな3センチほどの木のウロに出入りしている。
子育ての真っ最中なのだ。
まだ一度も観察したことがないが、3センチの穴があればヤマネやヒメネズミも利用するようである。
モモンガも林道にいないものかと目を凝らしているが、これはもう少し大きなキツツキの穴を利用しているはず。
林道周辺にはアオゲラとアカゲラがたくさんいて、直径5センチほどの巣穴が開いた木がいたるところにある。
このキツツキの開けた穴をムササビが広げて利用する場合も多いようだ。
写真は前回、リスの巣の周辺の森へ入ったときのもの。
めったに近くへ姿を見せないアカゲラが3羽もいて、しかも普通なら遠くからしか撮影できないのに、一羽がなぜか近付いてきて初めてしっかり撮影できたのだ。
アカゲラくん、穴をあけて虫を食べるだけでなく、樹皮も剥ぐんだね。バリバリ音がしていたけど、撮影して初めて分かったのだ。

1