見落としていた6本目のクルミの木
新たに発見した5本のクルミの木の現場検証に行ってきた。
ここは開けた場所でリスが地面でクルミを食べるには危険だし、クルミの殻も少ないのから、クルミをどこかに運んで貯食しているのが想像された。
(じゃあなぜここにクルミが育った?って疑問がでるが、殻が大量に落ちているところに新たなクルミの木が見られないのから、日頃埋めない場所だからこそ忘れられ、それが発芽した、と考えている)
また、クルミの木の見落としがないか周辺をくまなく調べてみた。
そしたら、前回通った場所で、3本のクルミがあったところから50m離れた位置にもう一本だけ発見する。
今回見つけた中では最も小さい木だが、それでも胸高で25センチぐらいあり、リスにたっぷりクルミを供給しているのが想像された。
で、これらのクルミに名前をつけようと考えたが、いい案が浮かばない。しかたないから、3本並んである場所を「三本場」、2本あるところを「二本場」と呼ぶことにする。(新たな一本も「三本場」ということで)
クルミの大木が無数にある丹沢と比べると、笑われそうな話だが湯河原ではすべてのクルミの木に名前が付けられるぐらい少ないのである。
そして、4時間ほどクルミの木と貯食場所を探し歩いたけど、クルミの木は前回の見落としの一本きり、クルミの殻が落ちているのはやはり第2クルミの木に接したヒノキ林の中だけだった。
ここは、三本場からも100mと離れてない場所である。
この100m四方ほどの林床をあらためてじっくり見ていくと、どこにでもクルミの殻を発見でき、全体がクルミの貯食場となっているようだった。
第2クルミの木の食痕だけとは思えない多さだし、三本場のクルミも安全なこの森まで運んで埋めていると考えた方が自然である。
またここは松ぼっくりの貯食場でもあり、松の木から少し離れている林床でエビフライをよく発見する。
このときもヒノキ林の端の、松林と接するあたりの林床を調べているとき、偶然松の倒木の上にごく新しい作られたばかりのエビフライを二つ発見した。
これで松ぼっくり一個分の鱗片。一度数えたものは90個あった。
撮影のためエビフライだけ移動。鱗片が白いのは一度も開かない青い松ぼっくりを埋めたものだから(まだ推察するだけで検証できてない)
鱗片が茶色なのは熟れたのを貯食しているから(これも未検証)。
一つは白いエビフライで、鱗片の先に土がびっしり付いていて、土の中に埋められていたのがよく分かる。また、これは鱗片が反り返ってなくて、閉じていたのも分かった。
でも、鱗片は時間が経ち乾燥すると反り返るし、しっとり加減さからいましがた食べたのが確実である。それに、これほど大量の鱗片が風にも飛ばされす、倒木の上にあるのもそれを裏付けている。これで松ぼっくり一個分である。
もう一つは鱗片の内側が茶色で、一度開いたことがある松ぼっくりだが、これも土が付いていて貯食されていたのが分かった。
そして20分ぐらい経った頃だろうか。4、5メートル離れた2本の木のあたりからキュキュキュル、とリスの鳴き声がし、幹を滑り降りる音がした。
慌ててレンズを望遠に付け替え、どこ? どこ? と目で音を追うのだが姿を発見できないまま逃げられてしまった。
このリス、私が近づいたので慌てて木に上ったのはいいが、移る枝がなくてじっとしていたのだろう。
ついに耐えられなくなり、動いたのである。
このリス、撮影したエビフライを食べ終わったばかりだったのだろう。
久々のリスである。

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