5月9日だったと思うが、もう卵はとっくに孵化している頃だろうとフクロウの森へ入り、巣をこわごわのぞいてみた。
いつフクロウが飛び出しても撮影できるよう、慎重に近付いたが、どこまで寄っても気配がない。
巣穴をのぞいたらフクロウもヒナもいなくて、粉々になった卵の殻があるのみ。
冬に巣を掃除しておいたから、卵を産んだのはたしかだが、その後孵化するまでの間に誰かに襲われのである。
やはり巣穴が地上から1,5メートルと低すぎるのだ。
何か巣を守るよい方法がないものだろうか。
一方、フクロウの巣プロジェクトで作った巣穴もときどき遠くからのぞいてみるが、何も入った様子がない。
写真は70、80メートルぐらい離れた場所から撮影したもので、散策道から一か所だけ巣穴を見通せる、針の穴のような場所を見つけたのである。
一度巣穴近くまで行ってみたが、やはり誰もいなかった。だが、不思議なことに近くでフクロウの鳴き声がした。たぶん200、300メートルぐらい谷を下ったあたりである。
そこにも巣があるのだろうか。
そんなわけで今年もフクロウの観察はできないでいる。

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