また古い写真を見ていたら、前々項で紹介した御蔵島の写真を見つけた。
時期は古そうだがここも新島同様斜面が崩落している。まあ、これほど垂直に近い岩場だと植物も根を深く張れないし何かあればすぐ崩れるだろう。
また、近くに、海に落ちる一条の滝が見えるが、岩壁の中ほどにかなり大きな水脈でもあるのか、降った雨が地中にしみこみ、それが集まって流れ出ている。
こんな海へ直接落ちる滝は日本の海辺のあちこちあって、記憶に残っているのは知床半島のいくつかと、三陸海岸のもの。
だけど、これらは海からしか見えないものが多く、連絡船の航路もないし、ひょっとして漁師だけが目にしているのかも。あっ、知床半島では観光船が走っていたから、どこまで行くか分からないが、可能性はありそう。
考えてみると、この写真の海の色も普通は見られないものだろう。
伊豆七島は夏になると黒潮が差してくるが、この藍色が黒潮分流の色なのだ。
まだ伊豆大島あたりの海面は緑っぽいときが多いが、新島を過ぎ、三宅島あたりまで南下するとこの色が多くなる。
だけど、黒潮の本流というか勢いのよいところは「黒潮」の名のように、もっと海が黒く見えるのだ。
しかもボコボコと波立ち、他の水面より1メートルほど高くなり、海の中に大きな川が流れているような状態だ。
黒潮は水温30度以上で流速3〜4ノットもある。
御蔵島の海では、ちょうど写真あたりにイルカが住み着いていて、走るボートの水流とたわむれていた。
このときは写真がみな白っぽくなり、見せられるのがほとんどなくて残念。う〜ん、本来ならめったに行けない場所だし、写真を撮りまくってもよさそうなのに、やはり釣りがメインになっているのだね。
次からは海の景色ももっと撮るようにしよう。

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