東急大井町線に乗ると、一番見かける機会が多いのが8090系であり、大井町線=8090系というイメージが付いてしまっていますが、東横線の急行でデビューした電車が10年に満たないうちに各停だけの大井町線に移ってしまったというのは今でも「うーん・・・」って思ってしまいます。
8090系が抜けた東横線にはVVVF制御の9000系が投入され、8090系の余剰中間車と新造の先頭車を組み合わせた8590系も活躍していましたが、東横線急行の顔は9000系に取られてしまった感じでした。
8090系の転用で20m車5両編成への統一が図られた大井町線ですが、統一から8000系の廃車が始まるまでは8000系、8090系、9000系(9007F)の3形式が活躍していました。8000系の廃車と入れ替わる形で8590系と8500系が入り、長年原形に近いスタイルを残していた8090系も8081F〜8089Fが字幕の交換と前面の赤帯をオレンジのグラデーションに貼り替え、土休日の中央林間〜大井町間直通急行に充当されるようになりました。
写真は二子玉川駅で撮影しました。8090系は8091F、8093Fの順で増備されましたが、後半は番号を80番台に繰り下げ、最終編成は8089Fとなっています。
余談ですが、1982(昭和57)年に高津駅高架下にオープンし、現在は宮崎台駅高架下に移転した電車とバスの博物館では当時最新だった8090系のカットボティが設置され、運転シミュレーションとなっています。8090系のカットボティなので車号は8090となっていましたが、カットボティの新造後に実車でも8090号車が登場してしまいました。
実車の8090号車は前面窓の改修(Hゴム押さえ化)、前面の赤帯をオレンジのグラデーションに変更して「大井町線」のステッカーを貼り、字幕を英文入りのものに更新しているのに対し、博物館のカットボティはほぼ原形をとどめており、今では貴重なものとなっています。