1998(平成10)年、阪神電鉄と山陽電鉄は梅田〜姫路間で特急電車の相互直通運転を開始しました。神戸高速鉄道線内を含む全区間で特急運転を行い、直通特急という種別が誕生しました。
当初は1時間あたり2本のみの設定となっていましたが、その後のダイヤ改正で1時間あたり4本に増発されています。増発された直通特急は西元町、大開にも停車したため神戸高速線内では特急として案内されていました。車両の表示が黄色に青文字であったため黄色の直通特急と呼んで区別していました。
私は梅田〜姫路間を移動する時、阪神〜山陽間の直通特急を使うようにしていますが、直通特急を全区間通しで乗ると1時間30分程度にかかるので、出来る限りロングシート主体の阪神車を避けて山陽の5000系と5030系を狙うようにしていました。運用は決まっているのでチェックしておけばいいのですが、東武の日比谷線、半蔵門線直通と違って列車番号から読み取れないので紙に書いたりしないとどの列車が山陽車でどの列車が阪神車なのか分からなくなってしまいます。
山陽電車の梅田乗り入れは、神戸高速鉄道開業から30年目にしてようやく実現しましたが、今度は近鉄と阪神が直通運転を行うことによって阪神本線の尼崎〜三宮間は3社の電車が走ることとなり、今まででは考えられなかった山陽電車と近鉄電車が同じ線路を走る光景が間もなく現実になります。
そして、阪神なんば線が開業して近鉄と相互直通運転が開始されると、何と姫路から名古屋までが私鉄の線路だけでつながることになります。将来は近鉄特急が阪神を介して山陽姫路まで来ることになるのか気になるところですが、車両限界や長さの違いを考えると実現にはまだまだ時間がかかりそうです。
阪神なんば線の開業によって、山陽からも乗り換えは必要であるものの近鉄方面への利便性は格段に向上すると見られます。東武〜東京メトロ〜東急間で臨時に運転されているフラワーエクスプレス(東武30000系使用)のように阪神1000系を使用した山陽〜阪神〜近鉄間直通列車が臨時で走ったら面白いと思うのですが、これは開業後の動きを見てみないと何とも言えません。