南海の特急車両は長い間普通鋼製車体が採用され、1990年代後半に1編成だけ新造された31000系も例外ではありませんでしたが、今月初めに営業運転を開始したばかりの12000系はステンレス車体が採用され、「これで今後南海向けの鋼製車が造られることは無いんだろうなぁ〜」って思ってしまいました。
特急車のうち、高野線向けの車両は赤と白の塗り分けが採用され、南海らしくない塗色だなぁ〜って思ってしまうことがあるのですが、この塗色は南海がまだ緑を車体色に使っていた頃から使われており、30000系は勿論、それ以前の20000系もそうでした。ただ20000系は赤と白ではなく赤とクリームって言った方が正しいですが・・・
高野線の特急は「こうや」と「りんかん」の2種類がありますが、20000系の時代は「こうや号」しか無く、まさに高野山観光用といった感じでした。30000系が登場してから高野山(極楽橋)に行かない難波〜橋本間の特急が誕生しますが、11000系が登場するまでは「りんかん」という名称は付いておらず、愛称の無い座席指定特急になっていました。
愛称の無い座席指定特急は近鉄では当たり前のことですが、南海では全車自由席でなければ愛称が付いていたはずなので珍しいのではないかって思っています。「臨時こうや」や「四国」の代走は別として、反対に自由席車のみの列車で愛称が付いていたのは「淡路号」位しか私は知りません。最もあれは特急ではなく急行でしたが・・・
写真は新今宮で撮影した30000系の「りんかん」ですが、短い4両編成であるため「こうや」の表示ミスのようにも見えてしまいます。新造から25年以上が経過していますが、内装のリニューアルは行っているためそれ程古さは感じないものの南海の特急車では最古参であり、後何年頑張るかが気になるところです。最も先に置き換えられそうなのは南海線の「サザン」に使われている10000系ですが、数が少ないのは30000系の方であり、貫通形の17m級特急車を先に造ることになればあっという間に形式消滅ということにもなりかねません。非貫通で乗務員室直後の座席からの展望が良いだけに長く走ってほしいと思っているので・・・