愛佳交通が鉄道事業を開始する際に導入された通勤型電車2100系電車。
この車両は、JR東日本中央線で活躍していた201系電車を譲り受けたもので、現在までに4連12本(非貫通先頭車編成:6本,貫通先頭車編成:6本)が改造されて現地で活躍している。
△JR東日本201系電車(形などが違いますがご容赦ください)
■2100系電車導入のきっかけ
愛佳交通が鉄道事業を開始する以前は公営の鉄道であった。しかし、多くの車両が都会の大手私鉄などで使用されていた古い電車が多く使用されていた。
末期には本線(後の愛佳交通愛佳線)でも朝と夕方以外は一時間に1本しか列車が走らない状態であった。短編成なうえに編成数も少ない、ダイヤ削減を行った結果、乗客が路線バスや自家用車へと移ってしまったからである。
『これでは輸送力にも何もならない』
愛佳交通の朝倉雪歩社長は、運行を休止した状態で放置されていた鉄道車両等を見て、
早い段階で車両を多く増やすことや利便性を考えた路線作りを行うことを再建計画の中に盛り込んだ。そこで早期に増備でき、安価で大量に購入できる中古電車を導入する事を決意し、車両を探すことになった。
そこに一車種の情報が舞い込んだのは、計画策定の1週間後である。
『E233系導入によって、201系電車が大量に置き換えられる』
公営鉄道時代の車両と比べれば年式は比較的良好であることなどから、JR東日本に購入の意思を伝えて商談を開始、数編成の購入が決定した。
■改造
まず、第1陣としてT6編成とT5編成(T6編成は部品取り車2両を含めた10両フル編成,T5編成は電動車ユニット2両を抜いた8両)が東静車輌工業に運ばれてきた。
編成はばらされ、付随車2両を制御車に改造。残りの車両についても一部改造が施されている。
カラーは全面的に変更され、白をベースに愛佳交通のコーポレートカラーであるオレンジと黄色のラインを配している。購入した18両中16両の改造が完了した後に愛佳交通鳴菜川車両基地へと納入回送された。
△愛佳交通2100形電車(JR時代からの先頭車を両端にした編成)
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△愛佳交通2100形電車(中間車改造の先頭車を連結した編成)
■仕様
基本的仕様・性能は、JR201系電車と同じ。ただし、中間車(サハ)から改造された先頭車は、運転機器の使用が一部異なる(これは、廃車発生品などを流用したためである)。尚且つ、中間車という前歴を生かして前面貫通扉を持つなど、あらゆる面で異なる。そのため、性能は同じながらも先頭車が異なる編成では併結運転が出来ない。
■運用
普通列車を主に運行されている。単独4連の他、改造によって生まれた先頭車を両端とした編成を用いて4+4の8両編成で運用に付くことがあります。
■その後
T7,T9,T104,T105各編成の譲渡を受け改造工事を進行,現在までに12編成が就役している。東静高速鉄道からのリース車両である2000形電車の15編成には及ばなかったが、『自前』の車両では最大勢力であった(2000形10編成が返却されたため、現在は自社運行車両では最高勢力)。

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