
▲7500形

▲7800形
現在、静岡線で運行されている特急『グランビュー静浜』、三島線・西伊豆線経由で東海電気鉄道柚子原を結ぶ特急『グランビューうみかぜ』には、それぞれ7500形と7800形という特急形電車が使われています。当初はMc1+M2+T+T+M1+Mc2の6両編成で登場したが、特急料金を無料化。静岡線を走る7500形は通勤型電車のうちダブルデッカーを挟んだ10両編成の運用を拡大して特急運用を充当を開始した後は、それらの車両に交じりつつも特急専用車両として運転。7800形は変わらずに運用へ就いていました。
しかし、寝台特急列車『つきかぜ』([京神急行電鉄]京神品川〜[愛姫シティーライン]高速大阪)の運転開始に伴って特急料金が事実上復活。それに合わせて専用特急車両を用いての運行を復活しようと考えたのです。そこで問題になっていたのが、長年無料特急として走行させていた両形式の利用価値の低下でした。日中ならまだしも、静岡線での朝夕ラッシュ時に7500形10両編成の特急が来ようものなら、すぐさま『椅子取り競争』に陥ってしまいます。元来より特急車両のため座席は多いのですが、つり革や手すりなどはほとんど装備しておらず、詰込みも利かない車両だったのです。本来の使用用途とかけ離れた現在では、この車両の存在価値は疑われていたのです。

▲新たに新造される予定だった車両(1〜3,8〜10号車)
できるだけ長い距離を利用する乗客の方々に着席サービスを提供するためには有料特急を復活させることが得策と判断。特別な付加価値を付けた特急列車を復活させ、再び返り咲きを見せようという話となり、この計画が持ち上がります。何か付加価値をつけることになり、ひらめいたのは内装を改良によりグレードアップ、そして両方の先頭車には初となる展望席を設けるというものでした。両形式を統一の上、展望席を設けた新たな車両を製作。既存車両と組み換えを行うことを計画。1〜3号車と8〜10号車は新造。既存車両のうちダブルデッカー2両と中間電動車ユニット1組を新造車で挟む形での組み換えを行うこととし、流用となるダブルデッカー及び中間電動車ユニット1組はリニューアルを施工の上で組み込む計画となっていた。

▲最終決定後
その後、計画は変更となった。
現行7800形10両編成の組み換えを実施。
組み換え順は以下の通りとなる。
旧6号車+旧9号車+旧2号車+4号車+5号車+旧7号車+旧8号車+旧3号車
しかしながら、両端に来る中間付随車は、当初は先頭部を廃車解体となる旧1号車及び旧10号車から切り継いで先頭車化改造を行うこととしていたが、改造後の強度を考えて、機器を流用して車体を新製することとなった(画像にある車番は種車の車両番号となる)。先頭車両は従来の計画と同様に展望車となっている。これら車両改造は随時実施。再デビューは未定だが、2018年4月には試作として第1編成を落成させたいとしている。

1