さて、やるせないほどに放置&無視されすっかり拍子抜けしたゆずりんは、普段仮母が居るリビングに移動して来ました。
さあ〜ここまでは何とか上手く導入出来ましたね。
リビング教室に移動してからは、主にコマンドを教える予定でした。
やっと譲渡に向けてのスタート地点に立ったわけです。
しかし完全に改心したわけではなくて、まだ時折反抗的な態度を取っていました。
コマンドが理解出来なくて、強制的にさせようとするといちいち唸るので、講師の虹子先生にお手本を見せて頂いた後は、出来るまでひたすら待ちました。
食事を持って来てもその時のノルマがこなせなければ、その場は下げてしまい、何十分か後にまたチャレンジ・・・それをひたすら繰り返しました。
絶対に妥協することなくビシビシ

行きました。
こういう怖がりの犬って、無理やり何かをさせようとすると、恐怖心から攻撃に出ることが多々ありますよね?

ですから無理をせず、ゆっくりと日々の暮らしの中から信頼関係を築くように心がけました。
咬めば人間がひるんで、自分の思い通りになると悟られるのもまずいですし、一度血の味を覚えると咬み易い犬になるとも言われていますよね?
とにかく咬ませない事が大切だと思います。
そう・・・どんな汚い手を使ってでも咬ませないんです。
例えセコイと言われようが何だろうが・・・
そして人間に慣らす為に手からおやつを食べさせたりと、日常の些細な行動の中から徐々に攻撃性を排除して行くようにしました。

少しでも唸れば、
唸ってはいけない!そういう態度を取ったら絶対にダメだと言って聞かせました。
そのお陰か、さすがは柴犬・・・元々頭のいい子だったんでしょうね?
仮母の教えた事は物凄い勢いで次から次へと覚えてくれました。
それと同時に、段々と仮母に対する態度もフレンドリーなものに変わって行きました。
その様はまるで、新しい血を入れると、それに押されて悪い血が流れ出て行くような感じでした。
ここまで来るのに月組に来てから約3週間の月日が流れていました。
そしてついにこれが仮母が聞いた最後の唸り声・・・
ゆずりんに何かをさせようとした時、久々に唸ったのですが、その声を聞いた途端仮母が大きな声で・・・
あら〜?今誰か唸った〜?
変な唸り声が聞こえたけど
誰かしら〜?
その声を聞くやゆずりんは物凄い申し訳なさそうな表情をして、うずくまってしまいました。

「 あら?犬が反省しているわ・・・どうする気かしら?」とじっと観察していると・・・やっと起き上がったのが1時間後くらい・・・そしてそれ以降2度と唸る事はありませんでした。
実はゆずりんは何でも身に堪えるタイプらしくて、ちょっと注意されただけでもド〜ンと落ち込むんです。

来たばかりの頃も、かなり酷いハンドシャイがあって「 これは相当叩かれていたのかしら?」と思ったものですが、そうではなくて、1度でも叩かれるとそういう風に過剰反応してしまう性格だということが分かって来ました。
何に対してでもすぐに唸るのも、恐怖心からなんです。
ですから
この人は絶対に自分に手を上げない・・・と言うことを毎日の生活の中で認識させていく必要があり、それには多大な時間を要しました。
ですが、何でも身に堪える性格と言うのは、裏を返せば躾が入りやすいと言う事でもあるんですね〜
だからこそ、凄いスピードで人間との接し方を学んでくれたんだと思います。
ゆずりんが福島保健所から引き出されたのが8月5日。
初めてシャンプーしたのが、何と約1ヶ月後の8月31日。
そして健康診断を済ませたのが9月1日でした。
こうしてゆずりんの長くて辛い夏期講習は、新学期が始まると同時に終わりを告げたのでした。
ゆずりん暑いのにお勉強お疲れ
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