仮母は綿菓子たちを玄関に残したまま、天ちゃんの所に歩いて行きました。

吠えた事をもっと怒られるのかと思ったのでしょうか?
そそくさとベッドに入り、目を合わさないようにしていました。
そこで・・・まあ一応叱ります。

「 さっき吠えたでしょ?あれはダメでしょ?」
仮母はごはんの前の要求吠えでさえ許していませんから・・・
「 天ちゃん、ねぇ?天ちゃんはさっきお散歩にも行ったし、お水も飲んだし、ご飯だって食べたでしょ?

それなのにどうして吠えるの?
今まで吠えなかったのに、どうして急に吠える様になっちゃったの?
毎日一番にお散歩に連れて行ってあげてるでしょ?
星丸たちは自分達が行きたいのに我慢してるのよ?
でも吠えないでお利口さんに待ってるのよ!

それなのに、天ちゃんがそんなわがまま言ったらおかしいでしょ?それは違うでしょ?」
そんな事言われたってねぇ・・・天ちゃんだって困るんでしょうけど・・・とにかく仮母は怒っているのだと分かって欲しかったんです。
「 それはね・・・天ちゃんだっていつも側に居たいでしょうけど無理だしね・・・すぐに月丸と喧嘩しちゃうでしょ?

大体天ちゃんはうちの子じゃないんだから、馴染んじゃダメなのよ!早くいいお家見つけて出て行ってね!」
それから延々しゃべりまくり・・・とにかく朝から晩までTV、PC、お風呂、寝る以外は常に話しかけているので、これくらいのこと余裕の裕ちゃんです。
新語?
で、語りかけていたはずなのに途中からグチになり・・・
ああ〜すっきりした〜!とばかりに、オリンパスさんにお留守番を頼んで綿菓子達とお散歩に出掛けました。
一時間後帰宅・・・祈るような気持ちで再生ボタンを押してみる・・・

神様!きっと天ちゃんは仮母の気持ちを分かってくれましたよね!?遠吠えしていませんよね!?
しか〜〜〜し!
10分過ぎた頃・・・
仮母の願いも虚しく・・・
モォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
ええっ!うそ!?また吠えてる・・・・やっぱり気持ちなんて通じてないんじゃないの!

仮母は天ちゃんが何だか嫌いになったような気がしました。
しばらくするとまた・・・寂しそうな遠吠え・・・
モォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン
もう絶望的・・・これから始まるであろう連続音を想像してガックリ・・・_| ̄|○

遠吠えラッシュを聞く心積もりをしていると・・・
シ〜〜〜〜ン
あら?どうしたの?これで終わり?
何とこの回はこれで終わりでした・・・5秒くらいの遠吠えが2回だけで・・・
ふぃ〜よかった〜これで止めてくれて・・・

でも今回は怒られたから余り吠えなかったのよ!次からはきっとまた・・・
でもね・・・驚くなかれ!その後毎回オリンパスさんにお願いしましたが、天ちゃんが遠吠えしたのはこの2回が最後でした。
て、天ちゃん!本当に話しかけて分かってくれたの!?
「犬は人間の言葉をある程度理解します!」なんて言い切っておきながら、いざ本当にこんな事が起こると
うっそぉ〜となってしまいました。
天ちゃんって本当にいい子や〜!優しい子や〜!

一瞬でも嫌いだなんて思ってごめんね・・・
何て情の深い子なのかしら?貰われて行っても絶対幸せになれる!だから頑張ってお迎えが来るまで頑張ろうね!
天ちゃん!分かってくれて有難う!
題名の「 雲外蒼天 」と言うのは、分厚い雲が掛かった向こうには、必ず青空が広がっている。

絶望しないで努力していれば必ず報われるという意味です。
いい言葉だと思いませんか・・・?
じゃあそろそろ例の話暴露しましょうか!
聞きたい方はわんクリック!