「【気晴らし工作シリーズ】スラロームSCのタグホイヤー無線装置TuneUp」
近況報告
『育児で週末あんまりスキーに行けないから気晴らしに工作するシリーズ』
1月末に開催したチロルスラローム対抗戦にてスラロームSCのタイム計測器(タグホイヤー)の無線セットが不通となり携帯電話を駆使しての実施となりました。スラロームSCさんの無線セットは、この後コシヒカリカップの計測など行事もあるし、今後もお世話になるため、預かり、どうせならさらに10年使える様にチューンする事にしました。(チロルの同型機器は最近使っていないので後回し)
せっかく心をこめてチューンしたし、同様の無線機器を利用している人の役にたつかもしれないので以下に写真と一緒に実施内容を記録します。
タグホイヤー送信機/受信機セット

<現状の問題>
・電池電圧の低下(電池の劣化)
・受信状態視認性の弱さ(LINKランプ見にくい)
・アンテナ周りの接触不良(接点劣化、ハンダ外れ)
<今回のチューンナップによる解決立案>
@電池交換と送信出力アップ
ALINK視認ランプの増設
Bアンテナ周りの再ハンダ
C破損箇所補修
<以下実施記録>
@電池交換と送信出力アップ

写真は、13年ほど前に交換したニッカド電池5本(6V)。過電圧のため膨張破損してました。充電器用としてDC9Vのアダプターを利用していますが、6Vのニッカド充電で9V定電圧は少々過電圧です。定電圧充電は時間管理が必要となりますし。

今回、ニッケル水素電池と交換する事とします。また、使用中の電圧降下対策と出力アップを目論見、電池6本7.2V仕様とします。送信機、受信機とも電圧の直接的影響を受ける半導体の定格を確認したところ問題なしです。さらに9V定電圧充電5時間程度なら問題なし。

ちなみに、送信機の核である「ファイナル:終段管」トランジスターは、写真の通り
2SC2221 あまり馴染みの無いトラだけど仕様書はネットで入手、コレクタ−エミッタ間電圧の定格12V。仕様的には、6V→7.2Vとする事で送信出力も約1割アップします。最新の送信機じゃファイナルの型番なんてさっぱりわかりませんがこういう古い機器はステキです。かわいくて頬ずりしたくなる。
ALINK視認ランプの増設

この無線セットは、送信機からの無変調信号を受信機で受信し続け、スタートバーがリミットスイッチをONにしたときに信号にパルス変調を一瞬乗せてそれを受信機が識別して受信機側の回路をONにするという昔のラジコンと同じ原理です。
つまり、送信受信機が接続状態を維持していれば、問題なくスタート信号をタグホイヤーに伝えられます。この受信状態は、LINKランプとして受信機本体についている小さなLEDで確認できますが、常時視認し続けるのは難しい。

そこで、このLINKランプを計測係が視認しやすい様にタグホイヤ近くに増設します。受信機からタグホイヤに接続するケーブルを2芯から3芯ケーブルに変更し、二本のバナナジャックの又からニョキっと高輝度広角度低電流LEDを覗かせます。こういう工作には住友のヒシチューブが大活躍です。
Bアンテナ周りの再ハンダ

今回のチロスラ対抗戦時の無線不通原因の一つにはこのアンテナ線関係の接触不良もあると踏んでいます。

ロッドアンテナとコネクターの接続部がはずれかかっているものが数本ありました。また、同軸ケーブルのハンダ部も腐食。全て再ハンダとコネクターにはハンダで薄い皮膜を作って、接触を良くしました。
C破損箇所補修

T型のダイポールアンテナの基部BOXの蓋が外れて露出していたので、プラ板を加工して補修です。
<試験>
・送信機受信機とも消費電流は約35mA 計算では連続使用20時間というところ。
深夜氷点下になる車庫に送信機〜室内に受信機の実験では、24時間連続LINK確認。
・ダイポールにせず、単体バーチカル(ロッド一本)にて室内〜屋外50mの距離での通信を確認。
以上にて今回のチューンナップは終了。コシヒカリカップでの現場がぶっつけ本番となります。つかえると良いですねぇ・・成功を祈ってます!(最後はひと事かい!?)
<直前おまけ工作>

テスターをスキー場に持っていかずとも現場でバッテリーの残量を簡単に確認できる様、100円ショップで発見した電池チェッカーに測定用端子を付けてみました。

内部を調べるとコイルと磁石式のおもちゃメーターですが、テスターで測定したところ相対電圧の比較は可能でした。6V部にマーキングしておけば残量の確認ができます。100円ショップおそるべし。

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